雇用統計を受けて

今週の為替相場(FX)では特に目ぼしい経済指標の発表も無い。注目は欧州債務問題への懸念が再び再燃するかどうか。市場の一部では米雇用統計を通過したことにより、再び欧州財務問題が市場の焦点になるとの見方も出ていた。ユンケル・ユーログループ議長やイタリア財務相から欧州共同債券の発行が提案されているが、オランダやドイツは消極的。本日はユーロ圏財務相会合も開催される予定で、欧州債務問題とともに、欧州共同債券発行の行方も注目される。

雇用統計を受けて

先週金曜日の米国雇用統計(11月)は予想を大幅に下回る結果となりました。失業率は前月比0.2ポイントの悪化で9.8%、注目すべきは非農業部門の就業者数で、2カ月続いて二桁万人増の14万5000人という予想を大きく裏切る3万9000人増に留まりました。

 

雇用統計が予想以上の悪い結果だったことからドル円ではドル売りが加速し、82円台半ばまで進みましたが、米株式はといえば一時下落はしたものの、終値は小幅上昇しています。

 

株式についてはCSBテレビのバーナンキFRB議長に対するインタビューにおいて、FRBの国債買い入れ(QE2)拡大に関して、議長がその可能性を否定しなかったと報じられたこと、およびドル安によって資源銘柄が割安(資源はドル建てでの取引のため)になるという思惑から下支えされたことも支援材料となったようですね。

 

市場関係者からのコメントには雇用統計の結果を受けても楽観的なものが目立ちます。上記のバーナンキ議長発言を受けてもQE3の可能性はほとんどなく、景気回復の後退はないだろうとするものが多いようです。雇用統計では最も注目される失業率と非農業部門雇用者数は前述の通り失望を伴う結果でしたが、個別に見ると例えば人材派遣業が前月比4万人増と8カ月ぶりの大幅増となったり、9月と10月の直近2カ月の雇用者数(全体)が計3万8000人上方改定されたことなど明るい材料もありました。

 

また先週金曜日はISM非製造業景況指数の発表もありました。1日に発表された製造業の景況感を見るISM製造業景況指数(前月比で0.3ポイント低下の56.6。市場予想とほぼ同水準)ほどではないですが、重要指標の一つで、米国のサービス業の景況感を見ることができる指数です。結果は前月比0.7ポイント上昇の55.0で3カ月連続の前月比プラスであり、市場予想の54.8も上回っています。こちらもけっして悪い数値ではありません。先週突入したクリスマス商戦の滑り出しが好調なこともマインド的にプラスの後押しをしているとも考えられますね。

 

今回の雇用統計の結果は楽観的になりすぎていた市場には多少なりとも冷や水となったと思いますが、かといって本格的な景気先行き不安材料となるのか、一過性のものとして底堅い動きになるのかの判断はまだできないところでしょう。

 

ユーロでもユーロ・ドルが買い戻されました。しかしながら欧州財務状況は簡単に払しょくされるような内容ではないだけに、今後も事あるごとに不安材料として持ちあがってくるでしょうから、楽観的にドル売りの受け皿にはなりにくいと言えると思います。地政学的リスクを抱えた日本円も同様です。

 

こうした中、各要素が綱引きをしながら相場を形成していくことになります。12月は為替市場にとっては閑散期でもありますから、何かサプライズがあれば大きく動く可能性もありますので、ご注意くださいね。

 

【直近の為替相場における注目ポイント】

 

加、豪、NZ、英と中銀会合が目白押し・・・政策金利は据え置きが見込まれるが、声明内容に注意

 

金・原油相場上昇・・・米国の量的緩和拡大観測を反映。資源国通貨をサポート

 

欧州高債務国の国債利回り・・・ECBの買い支えで目先スプレッドは縮小、ユーロは堅調か

 

日本のボーナスシーズン・・・高金利通貨を中心にクロス円堅調か

 

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最新の為替相場(FX)の情報

7日の海外市場の注目はカナダ中銀政策金利とアイルランドの2011年の予算案提出。カナダの政策金利については、今回も据え置きが確実視されている状況。カナダは米金融政策に左右される傾向が歴史的に強く、FRBが緩和姿勢を継続している現状では、カナダも利上げは難しい。直近発表になっているGDPや雇用指標も予想を下回る内容となっており、今回は据え置きが妥当と見られる。声明も前回同様に、利上げに慎重な姿勢を示す可能性が高い。日本時間23時発表。

 

そして、ロンドン時間になると思われるが、アイルランド政府が2011年の予算案を議会に提出する。同国に対してIMF、EUによる支援が既に合意されているが、2011年の予算を通過させることが支援の条件となっていた。無事通過するとの観測報道が東京時間に伝わっておりユーロ買戻しをサポートしていたが、動向は注目したい。